住民税の納付と手続のQ&A

常に明るい未来を考える、あすなろ会計士田中秀一郎。税務調査・金融機関・キュッシュフローに詳しいです。

ベーシックな話題ですが、個人住民税の通知の季節ですので、住民税の納付、手続について書きたいと思います。実は、しっかりとそのへんを解説している本はほとんどありませんし、よくわからないなというひとが多いと思います。また、税金に関する実務経験がまだ浅いときは、よくわからないものです。もちろん私もそうでしたし。

住民税は、都道府県と市区町村に申告納付する、地方版の所得税です。法人住民税は法人税、個人住民税は所得税にあたります。
地方税法に基づくものであり、住民税法というものはありません。各自治体、条例によって、税率等が少し異なります。

法人住民税は、法人税と同様に、原則決算期の2ヵ月後(3月決算であれば5月末)までに申告納付します。法人税と同様、3ヵ月に期限の延長も可能です。法人税額が決定すれば、法人税額に税率を乗ずるかたちで、ほぼ自動的に住民税額が算定されます。均等割といって、赤字でも会社があるだけで納税額(東京、最低7万円)があることもとひとつの特徴。

個人住民税は、法人住民税と異なり、前年の所得に対して課税されます。
したがって、よくいわれるとおり、新入社員は、1年目住民税はありませんが、2年目から支払うことになるため、2年目は手取りが減ることがあります。また、退職し独立開業すると、前年サラリーマン時代の給料に対する住民税が翌年きますので、独立開業時の資金繰りを作る際に、考慮しておく必要があります。法人住民税と異なり、所得に対し税率乗じることになります。また、個人住民税にも均等割があります(東京、4千円)。個人の均等割りは、法人と異なり、所得金額等により非課税となる場合があります。東京都の場合であれば、パート収入100万円以下であれば、配偶者控除の対象となれますし、本人に所得税もかかりませんし、住民税(均等割含め)もかかりません。

この個人住民税は、市区町村に集まる、給与支払報告書、所得税の確定申告、住民税の確定申告をもとに、計算され、納税者又は納税者が務める会社に、5月中に、通知書と納付書が送られてきます。

納付方法には、特別徴収と普通徴収の2つがあります。
特別徴収:
サラリーマンの給与天引きであり、5月に会社に送られる通知書をもとに本人給与から天引きします。6月~5月に支給される給料から引かれます。通知書には、各人別、月ごとにいくら天引きするか記載してあります。6月分が少し多く、それ以外の月は定額です(12ヵ月に割り振ったときの端数を6月で調整しているため)。
納付には、源泉所得税と同様、届出申請することにより、半年ごと納める納期の特例があります。ただし、納付は6月10日、12月10日であり、源泉所得税の7月10日、1月20日と期限が異なりますので、注意。また源泉徴収と異なり、納付書が金額、期日記載して送られてきますので、要確認。途中から、普通徴収から特別徴収へ切り替えた場合、未納付残高について、5月まで残りの月数で割った金額を毎月天引きすることになりますが、いつから切り替えられるかは、その市区町村の処理可能日によりますので、問い合わせること。
また、源泉徴収は、2か所以上の会社で働いていれば、一か所は甲欄で計算し、他は乙欄で計算し、いずれも源泉徴収されますが、特別徴収は、1か所の会社でしかできません。ですので、会社に内緒でアルバイトしていたとき、会社にばれないように、アルバイト分だけ普通徴収にできないか?という相談がよくあるわけです。(くわしくは前のブログ記事参照)

普通徴収:
サラリーマン以外の人が、自分で納めるものです。5月中に納税者あてに送られる通知書納付書をもとに自分で納めます。自治体で月が異なることありますが、6月8月10月1月の4回に分けて納付。現実には、従業員について普通徴収のままにしている会社もあります。また、サラリーマンの給与所得以外の所得について、確定申告書にチェックマークをつけて提出することによって、普通徴収とすることも可能です。私も監査法人を退職したとき、そこそこな給料だったわけですが、後程普通徴収の通知書納付書がきて、その金額にびっくりしたことがあります。もちろん資金繰り計画で考えていましたけど。サラリーマンから独立開業するかたは、生活資金を考えるときに、よく注意しましょう。