ざっくり計算の重要性

常に明るい未来を考える、あすなろ会計士、田中秀一郎です。

会計・税務についてですが、最初はそれこそ、借方とは何?貸方とは何?、大体売上なのに貸し?とはなんで、などなどから始まり、まずそのハードルを越えるのが大変です。慣れてしまえば、なんということはないですが。

また、会計、税務、関連法務、関連金融取引、関連不動産取引、と覚えないといけないことは沢山あるし、本に書いていないようなこともあるので、レベルアップするには、相当の勉強と経験が必要ですよね。まずは、正確な知識と正確な手続きとか計算を覚えるのが第一目標になります。

しかし、詳細な知識とか計算などは、一度身につけばいつでも調べられますし、いまやネット社会、情報DBや会計システム等によって効率的に行うことができます。

むずかしいのは、専門家以外の人と話すとき、いかにわかりよく話すか、また材料が少ないなかで大体の回答をしたり予測数値をいって、まず安心させることですね。(もちろん、大法人にいて、相手も超大企業かつ相当の専門家を相手にする仕事の場合は、それらに負けない知識を用意しなければならないという種類の難しさもあります。)

原発事故の解説をしていた専門家たちの話を聞いていて感じたと思いますが、正確な情報かもしれませんが、いったい何をいっているのやら、わからんということになってしまいます。専門力が非常に高く、さらに親切であればある人ほど、そうなってしまうという、なんとも悲しい期待ギャップが生まれてしまいます。一生懸命、正確に、そして親切に教えているのに、むしろ混乱させて感謝されない。親切であるほど、そうなりがちなので、注意したいです、自戒の念です。

多少の正確性を犠牲にして、うまくを話せること、そしてある程度の材料で暫定的に即答できることが経験値の高さですね。もちろん、相手に合わせてです。たとえば、交際費は費用にならない、奥さんには通常相続税がかからない、普通の価格の住んでるマンションを売った場合通常は税金が出ることはない、粗利で家賃と人件費を割ると目標売上が出る(BEPS分析の応用)、利益の40%くらいが税金、経費の20%で利益の80%を稼いでいる(パレートの法則の応用)、建物売却からは利益が出ない、奥さんパート100万円くらいだったら扶養もOK・所得税・住民税も出ない、資金を2倍にする年数を出すには72を利率で割ればいい(72ルール)、当期純利益に減価償却費を足せば簡易CFが出る、もう少し正確なCFは当期純利益+減価償却費-主な資産の増(棚卸・売掛)+主な負債の増(買掛・借入)で出せる、運転資金は棚卸資産+売上債権-仕入債務、などなど、これら決して正確ではありません。が、これらを正確に理解してもらうには前提知識がなければむずかしいので、詳しくいっても混乱させることがあります。

こうしたことを、個人的にざっくり計算とざっくり解説と呼んでいるのですが、これ、お客様や同業者等と話していて、時々あっと思いつくことも未だ多々あります、あ~こういうふうに考えればわかりやすいし、こんな考え方もできるんだと。さらに、講師の仕事をしていて、質問に答えているとき、自分ではあたりまえな話をしたのに、ものすごく共感されたときなども発見することがあります。これは会計・税務の仕事は基本的にはものをつくるものではありませんが、こうした発見はものをつくるのに匹敵する職業会計人の楽しみかもしれません。